あらゆる気体の測定に 株式会社ガステック

気体採取器使用方法について

気密について

Q1.

気体採取器の気密性を維持するために、普段から注意することはありますか?

A1.

できる限り、空引きを避けてください。特に、環境中に粉じんや腐食性ガスが存在する場合、検知管を付けずに空引きすると粉じんなどが内部に入り、漏れの原因となります。

Q2.

気体採取器の気密性を確認する簡単な方法を教えてください。

A2.

気密性を調べる方法は、以下に紹介しますが、この気密性の確認は測定前に必ず行ってください。

①未使用の検知管を取付口にしっかり差し込みます。
②ハンドルを完全に押し込み、ガイドマークを合わせ、ハンドルを一気に引きロックします。
③1分後にハンドルを90°まわし,指をかけて支えながらゆっくり戻します。
④ハンドルが元の位置に戻ればOKです。

操作について

Q3.

気体採取器の正しい操作方法を教えてください。

A3.

操作はいたって簡単です。注意する点を含めて以下に紹介します。
測定前には必ず気密性の確認を行ってください。
(方法は気体採取器の取扱い説明書を参照してください。)

①検知管の両端を折り取り、G▲マークが気体採取器を向くように入口ゴムに差し込みます。
②ハンドルを完全に押し込み、シリンダとハンドルのガイドマークを合せます。
ハンドルを押し込むことでシリンダ内の空気を排気します。
この操作は検知管を付けたままで可能です。
③測定したい場所でハンドルを一気に引き、固定(ロック)します。そのまま、その場所で吸引時間の経過を待ちます。
 ※ハンドルは力強く,一気に引く。ゆっくり、時間を掛けて引くと、検知管の指示が低くなることがある。
 ※ハンドルを引いたとき、固定できない場合はガイドマークが合っていない。
 ※吸引が終了するまで測定場所から、気体採取器を移動させないこと。
 ※検知管のパッケージの表側ステッカーに表示されている吸引時間は、吸引終了の確認を行うための待ち時間。
④吸引時間経過後、ハンドルを90度回して、ロックをはずし、手を離す。この時ハンドルの戻らないことを確認し、吸引終了とします。もし、戻る場合は、ハンドルを押し込まず,そのまま引き戻し、ガイドマークを合わせ、しばらく待ちます。その後、同様の操作によりハンドルの戻らないことを確認します。2回以上の吸引回数の場合は 2. から 4. の操作を繰返してください。 以上で、サンプリングは完了しました。後は、直ちに検知管の指示値を読み取ってください。

吸引回数について

Q4.

気体採取器の吸引回数を増やすと感度は上げられますか?

A4.

検知管の種類により異なり、感度の上がるものと上がらないものがあります。
検知管によっては湿度の影響も受けず、吸引回数を増やすと感度の上がるものもあります。また、酸化剤や除湿剤等の前処理剤を使用している場合、その破過で感度の上がらないものもあります。
感度を上げたい場合は、お問い合わせください。また、通常の測定では精度確保のために、取扱説明書に記載されている吸引回数以内でご使用ください。

Q5.

1/2回吸引(50mL)で止めたら指示が低かったので、そのまま引いて1回吸引(100mL)にしました。指示は正しいでしようか?

A5.

精度は保証できません。1回吸引で再度測定してください。
1/2回吸引を2回引いた場合と1回吸引を1回引いた場合、ガス採取量は100mLで同じです。しかし、検知管を通過する時の試料ガスの流速が異なるため、正しい指示が得られません。

Q6.

検知管には目盛範囲と測定範囲がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

A6.

目盛範囲とは、検知管に印刷されている目盛の範囲のことです。基準吸引回数で試料気体を採取した場合、指示値=濃度として目盛を直接読み取ることができる濃度範囲です。また、測定範囲とは吸引回数を変えることにより可能となる測定の最大範囲です。

例のNo.3Lの目盛範囲は1~30ppmですが、測定範囲は0.5~78ppmとなっているように、検知管には目盛範囲を超えた高濃度から低濃度まで測定できるものも多く、測定範囲には当該検知管で測定できる最大の範囲を表示しています。 ただし、基準吸引回数以上または基準吸引回数以下にてガスの測定を行う場合には固定の換算係数や換算スケールを用いる関係上、一般の検知管と同等な精度を得られない場合があります。そのため、精度よく測定していただくためにも、目盛範囲内で測定可能な検知管をご使用下さい。


例)No.3L
Q7.

基準吸引回数n=1の検知管の吸引回数を1/2回吸引に変えた時、換算係数=2ではない検知管があるのはなぜでしょうか?

A7.

基準吸引回数n=1の検知管吸引回数を1/2回吸引に変えた時、換算係数=2とならないのは、検知管内に充填されている担体のガスに対する吸着能力やガス自身がもつ吸着性が大きく影響しているためです。また、通気速度や通気抵抗の大きさ、ガスとの反応速度の違いもその原因のひとつと考えられます。
各々の検知管によってこれらの条件が異なる為、吸引回数を半分にしても変色の長さが半分になるとは言い切れません。例に示してあるNo.3Lのように高濃度側でのガスの吸着が大きいものは、1/2回吸引を行った場合に実際のガス濃度の半分以下しか変色しないため、換算係数が2以上となります。このように、各々異なる特性を持った担体・試薬・ガスを使用するため、吸引回数による換算係数の算出には、実際に必要な吸引回数での検量線を作成し係数を算出されており、吸引回数を1/2回吸引に変えた時に換算係数=2ではない検知管が存在することになります。

Q8.

気体採取器GV-100のハンドルには▲50と▲100というマークが付いていますが、どういう役割を果たしているのでしょうか?

A8.

ハンドルにある▲50は50ml吸引すること、▲100は 100ml吸引することを示しており、これらを切替えることで1/2回吸引(50ml)と1回吸引(100ml)の切り替えが可能です。

切り替えを行うことによって、確実に一定量の吸引を行うことができます。検知管には、種類ごとに吸引回数が1/2回(50ml)、1回(100ml)、複数回と定められていますので、用途に応じ切り替えを行い使用して下さい。
気体採取器GV-100のハンドル

原理について

Q9.

検知管測定における吸引原理と吸引速度について

真空式のガス採取器と検知管を用いて測定を行った場合の簡単な吸引の原理等について教えてください。
また、測定中に検知管を通過する被検空気の速度は一定に保たれているのですか?
(G株式会社 衛生管理者)

A9.

真空式ガス採取器(以下、ポンプとします)を使用して検知管による 測定を行った場合、検知管を通過する被検空気の速度は一定では ありません。
ポンプは図1のような構造で、完全に押し込んだハンドル(ピストン)を一気に引くことにより、シリンダ内に真空状態をつ くり、接続した検知管を通して被検空気を吸引する機能を持っています。
ハンドルを一気に引いた直後はシリンダ内の真空度が最も高い状態ですので検知管を通過する被検空気の速度は最も速く、真空度が低下していくに従い徐々に吸引速度は遅くなり、シリンダ内が常圧になった時点が吸引終了となります。サンプリングの終盤に試料ガスをゆっくりと通気することは、検知管の変色の先端をシャープにする特徴を有しています。
個々の検知管により、一回(100ml)の吸引時間はそれぞれ異なりますが、吸引時間を1分(60sec)とした場合、吸引時間と吸引量の関係は図2のようになり、吸引時間が変わってもこの傾向は変わりません。
ただし、この吸引時間はあくまでも目安です。吸引が完全に終了(検知管に所定の被検空気が通気)したことは、下記のどちらかの方法により確認します。
いずれも、シリンダ内が常圧となり、ポンプに吸引力がない状態を示しています。
①所定の吸引時間経過後、ハンドルを約90度回しハンドルのロックを解除します。このとき、シャフトがシリンダ内に戻らないことにより吸引が終了したことを確認します。
②ハンドル後部のフィニッシュインジケータ(写真1)のフロートが吸引終了を指示していることを確認します。

図1 真空式ガス採取器の構造
図1 真空式ガス採取器の構造
図2 吸引時間と吸引量の関係
図2 吸引時間と吸引量の関係
写真1 フィニッシュインジケータ
写真1 フィニッシュインジケータ

その他

Q10.

検知管で高濃度のガスを吸引した場合、気体採取器の中にガスが残っていて危険なのでは ないでしょうか?

A10.

検知剤層に未変色の部分 が残っていれば、測定対象ガスは 全て反応してしまっているので、 気体採取器内に吸引されることはありません。検知剤が全層変色してしまった場合には、採取器内に高濃度の有害ガスが吸引されている可能性があります。その際には、局所排気装置や呼吸保護具を用いるなどの安全確保を行ってから採取器内のガスを排出し、更に清浄な空気中で数回の置換を行って下さい。また、腐食性のあるガスを吸引してしまった場合には、採取器の空気漏れの原因となることがありますので、気密試験等を行って異常ないことを確認して下さい。検知管によっては、有機塩素系溶剤などのような、それ自体には腐食性がない物質でも、塩素や塩化水素等の分解生成物を生成させて測定している場合がありますので、あらかじめ取扱説明書等で反応原理を確認しておくことをお勧めします。なお、検知剤の変色状態に関わらず、測定対象以外のガスが共存している場合には、未反応のまま採取器内に吸引されてしまう場合がありますので、不用意に顔の近くで採取器のハンドルを戻したりしないように注意して下さい。