あらゆる気体の測定に 株式会社ガステック

校正用ガス調製装置について(P-tube・D-tubeについて)

校正用ガス調製装置について

Q1.

パーミエーターを用いて様々な有機溶剤蒸気を発生させたいと考えています。 カタログに記載されている物質以外の蒸気の発生は可能でしょうか?

A1.

基本的には、パーミエーターを使用し、ディフュージョンチューブを用いた場合に「25℃~50℃の温度で6.67~533.29hPaの範囲の蒸気圧を有し、安定した高純度の有機溶剤」であれば校正用ガスの発生が可能です。 ただし、吸着力の強いもの等、物性によっては発生が難しいものもあります。また、更に低濃度の有機溶剤蒸気の発生にはパーミエーションチューブでの発生が可能な場合もありますので、記載されていない物質や濃度の校正用ガス発生に関しては弊社までお問い合わせください。その他、高沸点の物質に関しては「高沸点有機物定濃度ガス発生装置PD-230」が有効です。

Q2.

パーミエーターを使用し、空気ボンベから希釈用ガスを供給し有機溶剤の校正ガスを発生しています。発生を終了する時に希釈用ガスの供給を停止しても良いのでしょうか。

A2.

ガス発生の終了時すぐには希釈用ガスの供給を止めず、拡散管やパーミエーションチューブをホルダに入れたままにせずに必ず取り出し、その後、希釈用ガスを1L/min程度の流量で3~5分間流し続けて経路を十分に置換してから停止します。
校正ガスの発生中にパーミエーターのホルダや経路に発生ガスが吸着することがあるため、発生を終了する時には発生源となる拡散管やパーミエーションチューブを取り出した上で希釈用ガスの通気を続け、これらを除去する必要があります。
なお、蒸気圧が低く揮発しづらい物質や物理的吸着性の高い物質のガスを発生させた場合、また、臭気の強く残る場合には置換の期間を延長し、2~3日間またはそれ以上の長期間、置換を続けることをお勧めいたします。この場合、希釈用ガスを高流量に設定すれば置換の効果は上がりますが、200mL/min程度の低い流量であっても置換は可能です。

Q3.

パーミエータで調製したガスを加湿する場合はどうしたらいいですか?

A3.

お客様にて、ガス洗浄瓶・バブラー等の容器を別途ご用意の上、これに水を入れてパーミエーターの流路から希釈用ガスを連続的に通気することで、飽和水蒸気ガスを調製することができます。
詳しくはお問い合わせください。

Q4.

パーミエーターのガス出口が1流路当たり2ヵ所ありますが、どの様に使用するのでしょうか。片方を塞いでもよいのでしょうか?

A4.

片方はガス採取口として、もう一方は発生させたガスを除去する器具(筒など)の接続用として使用します。
ドラフト等の排気・除害装置が設置された環境での使用など、除去筒が不要であり、かつ、採取口と排気経路を分ける必要がない場合には、一方を塞いで使用することも可能です。
片方を塞ぐ場合には、配管チューブ(外径6mm)にフィットするキャップ等をご用意の上、栓をします。

Q5.

パーミエーターで以前に発生させたガスによる、パーミエーター内のホルダや配管等の通気経路の汚染を洗浄する方法はありますか?

A5.

一般的には清浄な乾燥した窒素や空気を連続的に通気することで、経路を洗浄することができます。
通気する時間は汚染の度合いによりますが、流量の最小設定値(200mL/min)にて数日間通気すれば、大抵の汚れは取り除かれます。流量を上げるとより効果的です。

パーミエーションチューブ・ディフュージョンチューブについて

Q6.

トルエンパーミエーションチューブ P-122-Hとパーミエーター PD-1Bを用いてトルエンの標準ガスを発生しています。トルエンのガスはパーミエーションチューブのどの部分から発生しているのでしょうか。また、チューブをパーミエーターのホルダに出し入れする際には、チューブのどの部分を持って行えば良いのでしょうか。

A6.

トルエンのガスは、パーミエーションチューブの上側と下側に差し込まれているステンレス止め具に挟まれた部分(有効長部分)のチューブ表面全域から発生しています。従いまして、ステンレス止め具より手前部分のチューブ両端からはガスは発生せず、容器から取出す際や保持用カゴに移す際にはこの部分をつまんで行います。
パーミエーションチューブにはプラスチックのチューブが使われ、これに高純度の物質が封入されています。チューブ内外の濃度差に起因して、チューブの管壁をガスが通過し外部へ移動し発生します。発生量は温度により変化するため、パーミエーターのホルダ内の温度を一定に維持して、安定的に一定濃度ガスを発生させます。
発生を続けると、チューブ内の液量が減少しますが、多くのパーミエーションチューブでは、有効期限内であれば、有効長の約1割に液量が減少するまで発生量は低下しないことが分かっております。すなわち、この下限量までは、チューブの有効長部分の全域から均一にガスが発生します。

Q7.

「保存条件25℃以下」と記載されてるパーミエーションチューブを冷蔵庫や冷凍庫に保管しても良いですか?

A7.

「保存条件25℃以下」と記載されているパーミエーションチューブでも冷蔵庫(10℃以下)または冷凍庫(-5℃以下)に保管することが可能です。
パーミエーションチューブを保管する時にはチューブから発生するガスの量を抑える必要があり、温度が下がると発生量が減少するので、低温にてチューブを保管します。常温で液体や固体の性状を有する物質(トルエンや二硫化ジメチル等)が封入されたチューブでは発生量が少ないため、常温以下の温度に保管することで十分に発生ガス量を抑えることができますが、更に温度を下げて冷蔵庫や冷凍庫に保管することも可能です。一方、沸点が低く、常温で気体の性状を有する物質が封入されているチューブ(硫化水素やアンモニア等)では、ガスの発生量が多いため、冷凍庫で保管する必要があります。

Q8.

パーミエーションチューブはどのように廃棄すればよいでしょうか?

A8.

局所排気装置内でパーミエーションチューブの中身を揮発させ、完全に空にしてから廃棄します。
具体的には、パーミエーションチューブ(以下P-tube)をP-tube保存容器に入れ、中間容器から吸着剤の中身を取り出して、保存容器の口元まで入れ、栓をします。P-tube内液化ガスがなくなるまで室温に保管します。ガスは容器内吸着剤に吸着されます。液化ガスがなくなった管はプラスチック廃材として処理してください。
容器内の吸着剤についても適切に廃棄してください。

Q9.

パーミエーションチューブを使用し続けると内部の液が減少しますが、有効長は変化しないのでしょうか?

A9.

チューブの使用に伴い、内部の液は減少しますが、有効長は不変です。
パーミエーションチューブでは、チューブの管壁部分全体からガスが均一に発生しており、その長さが有効長になります。液が減少した場合であっても、液が接していない管壁部分からも、接している部分と同じ割合でガスの発生が続きます。

パーミエーションチューブの有効長