あらゆる気体の測定に 株式会社ガステック

検知管の種類について

液体検知管

Q1.

水に溶けている物質を測定できる検知管はありますか。

A1.

現在数種類のイオンを測定する検知管と、水に溶解している有機溶剤を測定する方法があります。
イオン測定用検知管は、泥や水に含まれている全硫化物を測定するCat.No.201系検知管や溶存硫化物イオンを測定するCat.No.211系検知管の他に塩化物イオン(生コンクリート中)を測定するCat.No.221C系検知管があります。
トリクロロエチレン等の塩素系有機溶剤は、ヘッドスペース法を利用して気相中のガス濃度を検知管(Cat.No.132系、133系、135系)で測定することで、水中濃度がわかります。

Q2.

水中の硫化物を測定する検知管には、溶存硫化物検知管(No.211等)と、全硫化物検知管(No.201H等)とがありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

A2.

溶存硫化物検知管は浸透法検知管(図1)であり、水に溶解している硫化物を直接測定する検知管です。全硫化物検知管は硫化物測定セット「ヘドロテック-S No.330(図2)」専用の検知管で、底質や水に含まれる全硫化物を測定するものです。試料に酸を添加し、発生した硫化水素を測定して試料中の全硫化物量を求めます。

水中の硫化物は、火山や鉱工業排水などに起因するもののほか、たんぱく質の分解や嫌気性条件下における硫酸還元菌の作用などによっても生成します。悪臭や腐食などの原因となるほかに、溶存酸素を消費して貧酸素水域を生じ、生態系に被害を及ぼします。遊離イオンや金属硫化物などの様々な形態で存在し、条件によって単体イオウや硫酸塩・亜硫酸塩などにも変化します。海水中の硫化物による 貧酸素水域の発生や、還元性条件下での単体イオウの生成などの現象は、青潮の発生原因のひとつであるとも言われています。
溶存硫化物とは、文字通り、水中に遊離イオンとして溶けているイオウのことで、以下のような平衡状態にあり、pHが低いほど、平衡は左側に寄っていきます。

H2S
HS- + H+
S2- + 2H+

溶存硫化物検知管は、検知管の両端を折り取り、そのまま試料水に浸漬させるもので、毛細管現象で試料水を吸い上げて測定を行います。従って、検知剤と反応するのは、水中に溶けているイオウ、すなわち上の式のHS-およびS2-に相当するものであると考えられます。なお、溶存硫化物検知管は、共存塩化物イオンの影響を受けるため、海水等には使用できません。
全硫化物検知管は、溶存硫化物のほか、金属硫化物などの結合型硫化物等も測定することができます。

連続吸引式検知管

Q3.

電動吸引ポンプによりサンプリングを行なう検知管があるそうですが、どのようなものなのか教えて下さい。

A3.

一般的に、検知管のサンプリング用には、GV-100などのような手動の真空吸引式の気体採取器(ポンプ)が用いられています〈以下「真空式」)。しかしながら、従来の作業環境測定や工程管理のみならず、室内環境測定や大気環境測定等の分野において、より低濃度の測定が要望されるようになってきたため、より大容積の空気をサンプリングすることができるものとして、電動ポンプ等による連続吸引を行なうタイプの検知管が開発されました。

Q4.

電動吸引ポンプにはどのようなものがありますか?

A4.

室内環境測定用のGSP-200、大気環境測定用のGSP-250FT、GSP-2LFT、作業環境測定用のGSP-300FT等があります。
検知管のCat.No,の数字の後にPの付いているもの(No.91PL、No.122Pなど)は、室内環境用または大気環境用の「連続吸引式」検知管、Cat.No.の数字の後にTPの付いているもの(No.163TPなど)は作業環境用の「連続吸引式」検知管です。

Q5.

通常の検知管を電動ボンプで吸引しても差し支えありませんか?

A5.

通常の「真空式」の検知管では、気体採取器ハンドルを引いた瞬間には一気に大流量の空気が吸引され、その後、流速が徐々に低下しながら所定量の空気を吸引することになります。一方、「連続吸引式」の検知管では、サンプリングの開始から終了まで、終始一定の流速で吸引を行ないます。同じ容積の空気を吸引した場合でも、「真空式」と「連続吸引式」とでは、空気の通り方が全く異なるわけです。従って両者の間に互換性はなく、通常の検知管を電動ポンプで吸引して測定することはできません。

長時間用検知管

Q6.

検知管により、簡単に個人ばく露濃度の測定が可能と聞きましたが、どのような方法でしょうか。

A6.

簡易的な個人ばく露濃度の測定方法としては、長時間測定用の拡散形検知管を活用する方法があります。この場合も同様に、トルエン測定用の拡散形検知管を使用します。
作業者の呼吸域近くに拡散形検知管を取り付け、作業中連続してサンプリングを行います。検知管の目盛りは時間荷重濃度(ppm×時間)で表示していますので、サンプリング終了後、読み取った濃度をばく露時間(サンプリング時間)で割ることにより、単位時間当たりの平均個人ばく露濃度(ppm)を測定することができます。

Q7.

長時間用検知管 パッシブドジチューブとはどのようなものですか?

A7.

パッシブドジチューブとはガスの自然拡散を利用し、時間あたりの平均ガス濃度を測定することが出来る検知管です。手動ポンプ方式の短時間用検知管と同じ様な形状をしていますが、短時間用検知管には無いディフューザと呼ばれる拡散誘導体等を使用し、捕集感度をコントロールすることで、ポンプを使用することなく平均ガス濃度を測定することが可能な検知管です。
測定方法はパッシブドジチューブの片側(カッティングマークが入った側)を折り取り、作業者の呼吸域の襟元や作業場所等、測定したい場所にドジチューブホルダ等で固定します。一定時間経過後に着色した指示値を読取り読み取った値を測定時間で割ることで時間当たりの平均濃度を算出します(平均濃度計算例参照)。
パッシブドジチューブを使用することで個人曝露量の測定や、作業場所に固定して環境中の濃度分布マップ、あるいは日間変動を簡単に知ることができます。
平成17年に改正された法令*1により、事業者にはガス等による危険性や有害性の調査、措置を講ずることが努力義務化されました。しかし、それと同時に事業者には測定にかかるコストが大きな負担となり得ます。パッシブドジチューブは、ホルダと検知管のみで測定値が得られるコストパフォーマンスに優れた測定方法です。
*1 労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年11月2日 法律第108号)(事業者の行うべき調査等) 第28条の2

平均濃度計算例
8時間測定して指示値が10ppm・hrの場合
平均濃度=10(ppm・hr)÷8(hr)=1.25(ppm)


(例)91Dホルムアルデヒド
Q8.

長時間測定用検知管パッシブ・ドジチュープで測定したところ、目盛が印刷されている部部だけが変色して、他の部分は白いままでした。変色した部分で読み取ってもよいでしょうか?

A8.

パッシブ・ドジチュープ(PDT)の測定において、読み取りは、変色した検知剤部の目盛りを読み取ってください。
変色しない部分は、ガス拡散や補集感度をコントロールする拡散優導体(ディフューザ:白色)です。(図参照)ディフューザは、カッティングマークの面から通過してきたガスを検知剤側に誘導し、シャープな変色層を作り出す役目をしています。
※一部のPDTには、ディフューザを挿入していないものもあります。
※PDTについては、Q7. 「長時間用検知管 パッシブドジチューブとはどのようなものですか?」も併せてご覧ください。

(例)91Dホルムアルデヒド